【書評】仰木日向『作曲少女』を読んでみた【感想】

2019年8月14日

タイトル通り、作曲少女を読んだので忘備録と感想がてら紹介します。

※この記事は2017年に一度ブログで公開し、ドメイン失効→サルベージ→別ドメインにて加筆修正の上復活させた過去記事です。

DTM(デスクトップミュージック)、パソコンでの作曲をやってみたいなと軽い気持ちで本を探した時に見つけたので、読んでみました。

ざっくり概要

作曲を始めようとしてキーボードや本など必要な道具や参考書を集めたものの、「猿でもわかる音楽理論」的な簡単そうに見えるものさえ難しく挫折してしまった女子高生の主人公。諦めようにも使った額が大きく、彼女が考えたのは、クラスメイトの天才作曲家女子高生・たまちゃん。

たまちゃんに教えを濃い、14日間で荒削りながらも1曲を作り上げる方法を学ぶ2週間のお話。

難しい話は出てこない

音楽理論とかの難しいお話はほとんど出てきません。たくさん本を買い込み「音楽理論=難しい、でもやらなければいけない」と思っている主人公は度々「やらなくていいの?」「どういうこと?」と動揺したり説明を求めたりしますが、たまちゃんは「考えるな」「今はいらない」と言います。

曰く、「ああいう理論系の本は1曲作ってからでないと理解できない」とのこと。これ、本を読んで挫折した人なら納得できるんじゃないでしょうか。作曲をしようと思って作曲や音楽理論の本を買った人なら。(御察しの通り私もその1人です) なのですこーしだけ説明がありますが、あくまで友達が友達に教えるレベルの説明です。

実際作曲初心者の助けになるのか?

これは正直微妙なところですね。具体的に助けになるかというと疑問ですが、難しい理論とか耳コピで挫折した人にはもう1回「やるぞ!」という気にさせてくれる本かな、と。作曲に対して垣根を低くしてくれる、とりあえずヒドくてもいいから1曲完成させよう、という趣旨の本かと思います。

正直、主人公も割と出来過ぎというか、耳コピを速攻マスターしちゃうので耳コピで遭難している身としては「なんでだ……orz」って感じなんですけどね。1日で1曲ほぼ完コピしちゃうのは普通なの?と。

実用書にはならなそうだけど、小説としては面白い

実用書にするにはちょっと薄すぎると思いますが、小説(エンターテイメント)としては結構楽しめました。簡単ながらも2人の女の子が作曲を通して友情を得ていくのが分かって微笑ましいです。割とリアルな悩みと極端な行動の融合でフィクションとしては上々かと。

まとめ

作曲を始めようとして挫折しちゃった人、これから始めたいと思ったけど何から手をつけて良いのか分からない人の背中を押す1冊です。