【読書レビュー】わかつきひかる『生業としての小説家戦略 専業作家として一生食っていくための「稼げる」マニュアル54』を読んでみた

2019年8月11日

わかつきひかる著『生業としての小説家戦略 専業作家として一生食っていくための「稼げる」マニュアル54』を読みました。

※この記事は2017年に一度ブログで公開し、ドメイン失効→サルベージ→別ドメインにて復活させた過去記事です。

よくある「小説の書き方」ではなく、フリーランス・下請け文筆家の小説家のための本です。小説家だけじゃなく漫画家やライター、フリーランス全般に言えることだと思いました。

寡聞にしてわかつきさんを知りませんでしたが、作者紹介を見ると「ジュブナイルポルノの女王」とありました。検索すると非常にたくさんの著書。いわゆるエロライトノベルで有名な小説家さんでした。最近では普通のライトノベルにも進出している女性作家さん。

カクヨムのエッセイ部門?でポイント1位になったものの、落選し出版されなかったものだそうです。Kindle版のみの模様。2019年2月に紙の本も出版されたようです。

読んでみると、確かに出版社からは出したくないものなのかも…?KADOKAWAはよくクリエイターと揉めてますね。最近も佐倉色さんのコミックエッセイで話題になったのを覚えてます。

逸れましたが、この本はわかつきさん自身、未払いやセクハラまがいのリテイクなど様々なトラブルを経験したそうです。それらの経験から、未払いがおきた時の対処法や節税方法や税金対策、著作権の扱いや契約書への注意喚起などをまとめています。

実際にわかつきさんが実行している対処法・対策なので非常に有効でしょう。出版社を訴えて裁判まで起こした強者です。

文章は小説家のためか非常に分かりやすく読みやすい。しっかり読みましたが2時間かからず読み終えました。駆け出しやこれからフリーランスで文章を書く人なら読んで損はないと思います。文章だけでなく新人漫画家さんやイラストレーターさんにも役に立つのではないかな。

また小説の書き方指導は全く書いていないものの、小説家(自称や未来形含む)にとって背中を押したり激励になる言葉もありました。20年以上文筆業をやっている方からの言葉なので説得力が違う!ちょっと文章書いて無理かも、と思っている人ならモチベーションが上がる本だと思います。

蛇足

この本を読み終わってすぐに、わかつきさんによる『文章を仕事にするなら、まずはポルノ小説を書きなさい』の発売を知りました。なんと翌日で、迷ったもののすぐに購入。ちなみに2017年7月10日現在、Kindle版はありません。この本のレビューはこちら。文章を書いて仕事にしたいけれど、まだ稼げるレベルじゃないという人には面白く読めると思います。

Posted by おとみね